あたしが気が付いた時、おじさんは拳銃を出し、発砲した。
急いで班員に知らせ、皆してしゃがみこむ。
拳銃の弾は、あたしに向かって来た。
あぁ、あたし死ぬんだ。
もうすぐでポイントも溜まり、抜け出せるところだったのに。
しかし、痛みは感じなかった。
つぶっていた目を開くと、目の前にユミコ姉ちゃんが立っていた。
お腹から血を出していた。
おじさんは怖くなったのか、ダイヤモンドを奪わず逃げて行った。
「ユミコ姉ちゃん!!」
倒れこんだユミコ姉ちゃんに急いで近づく。
「・・・人をま、守る・・・・と、ど・・・うなるか・・・わかったでしょ・・・ぅ・・・?」
「話さないで!今すぐ救急車呼ぶ!」
急いでポケットからおばさんから渡されていた携帯電話を取り出す。
ユミコ姉ちゃんは、血の付いた手で、あたしの手を掴んだ。
「・・・生きて・・・・・」
そのままユミコ姉ちゃんは亡くなった。
ゴメンネも、
アリガトウも、
言えないまま。
ナカナオリも、
しないまま・・・・・・・。