数日後。
ユミコ姉ちゃんは亡くなった。
その日、またユミコ班は盗みに出かけた。
あたしとユミコ姉ちゃんは、あの日以来話していない。
あたしは何度も謝ろうとした。
でも、何故か出来なかったんだ。
言いだせなかったんだ。
あたしはいつも通り盗みを働いた。
今回盗むのは、盗品のダイヤモンド。
盗んで、持ち主に返すわけではない。
おじさんおばさんが、オークションに出してお金に変えてしまうんだ。
最低なことだとはわかっている。
本来の持ち主も、持ち主から盗んだ人も、悲しむだろう。
でも、おじさんおばさんに反論は出来ない。
それは間違った行為だ、とは言えない。
言ったら、殺されてしまうから。
あたしは厳重な警備から、ダイヤモンドを奪った。
盗む時常に持ち歩く黒い袋に、詰め込んだ。
黒い袋を大事に抱え、ユミコ班は風林寺家に帰る途中だった。
向こうから、スーツを着たおじさんが走ってきた。
おじさんが、本来の持ち主から、宝石を奪った悪人だ。
どうやら、盗んだダイヤモンドに、盗聴器とGPSをつけていたらしい。
あたしたちは、襲ってくるおじさんに、必死になって避けた。