ゆいとside
「はぁ…………」
俺はため息を吐く。
何回目だろう、もう忘れてしまった。
「なぁ、ゆいと。お前って家族いねぇの?」
ビクッ
肩が跳ね上がりそうになるが、人呼吸おいて
「いるよ」
少し明るめの声で答えた
いま話してる奴は俺の数少ないダチの一人、
けいだ。
明るくて何かと頼りになるこいつ。
だからかを許しちまう。
「だれがいんの?おねーさん?おにーさん?妹?弟?」
俺は口ごもったが必死に耐えると
「姉貴がいる」
少し小さい声で返した。
そう、なんでか
俺は姉貴が嫌いだ。
あいつを見てると両親のことを思い出してしまう。
それに、あいつのせいでおれのもう一人の姉と弟と離れ離れになった。
どうしてこんなやつについてきたのか、
未だに後悔している。
おれが変わってしまったのは両親が死んだのもあったが、
もう一つはもう一人の姉貴と弟が忘れられないこともあったから…かな。
ただ、思うこと、いまの姉貴といたくない。
見たくない、そして
謝りたい。