「ごめんなさい・・・私は自分の幸せの為に

緑川さんの言われるがまま・・・

緑川さんは・・・桜子ちゃんも

私の娘も引き取って アメリカへ渡来して

二人を幸せにするからと言って

その為に みんなを心配かけない為にも芝居してくれと言われて・・・

私は・・・緑川さんなら

お金もあるし・・・このままみんなに隠し通せて
桜子ちゃんも 幸せな生活を送れると思って・・・

だから・・・言われた通りに軽井沢の別荘へ誘って・・・
その後・・・緑川さんから渡された郵便物を・・・

守さんに渡して・・・

緑川さんと口車を合わせて・・・
本当にごめんなさい・・・ウゥ・・・ング・・・」

富美子は呆れ果てた顔で言った。


「アナタは・・・アナタは自分の幸せの為に

アナタの娘も桜子もアナタの為に

人生がメチャクチャになったのよ・・・

取り返しのつかない人生になったのよ・・・

どれだけ辛く 苦しく 怖い思いをしたか・・・

その間 アナタはノウノウと暮らして・・・

アナタが罪は犯したのよ

緑川さんと共謀して・・・

人生をめちゃくちゃにしたのは

アナタなんだから・・・


どれだけ頭を下げても


許せないわよ・・・」


興奮する富美子


「とにかく・・・落ちつきなさい・・・
これが全てなんだな」


そう言った守も奈落の底へ落とされたような気持ちであった。