「桜子が・・・どうしたの?」


「五年前・・・確かに・・・

年の離れた女性と再婚する事になって


桜子にも紹介して・・・

俺はあの頃・・・仕事で長期出張が多くて


で・・・急に桜子がアメリカへ留学すると・・・」


「アメリカ・・・?そんな訳ないわよ・・・あの子・・・幼稚園の先生になるって・・・言ってたのに・・・それで・・・アナタは許したの・・・?」


「それが・・・許すも許さないも・・・既に アメリカへ行ってしまって・・・」


「どーゆー事・・・?」


二人は五年前の記憶を辿りながら


ある事の異変に気付いた。


「話しは分かったわ・・・


お互い 慎重に事を進めないと・・・


桜子の身に危険も有り得るわよ・・・」


「分かった・・・桜子の事 頼む・・・」


「アナタは・・・奥さんから

ちゃんと事情を聞き出して・・・」


重い空気の中 二人は実の娘 桜子を何とか助けたい気持ちでいっぱいであった。


数日後___


富美子は桜子に電話をした。


「桜子・・・母さんよ・・・今 大丈夫?」


「あっ・・・ハイ・・・

あの・・・携帯を持つようになったので・・・
そちらにかけてもらっても
よろしいですか?」