一方 桜子の実母 貝原 富美子は

あれから あらゆる手段を使って

桜子の実父 安西 守の


行方を捜し


そして 守の居場所を見つけ出し


守と会う約束まで辿り着けていた。


《 料亭の一室 》


「お久しぶりね・・・


少し 若返ったんじゃない


元気そうで・・・


何よりだわ・・・」



「お前こそ・・・それより

桜子の事で話しって?」


富美子の和らいでた表情が一変し 険しい顔で話し始めた。


「単刀直入に聞くわ!

桜子は?

桜子は何処にいるの?」


突然の富美子の言葉に驚きながら


「桜子なら・・・多分・・・
アメリカか・・・いやっ・・・

日本に帰ってきてるか・・・

正直 俺もわからないんだよ


音信不通のままで・・・」


守は暗い表情で言いながら 煙草に火をつけた。


「どーゆー事・・・?


音信不通って・・・?


桜子は・・・


今 神戸に居るのよ・・・」


富美子の言葉を聞いて


食いつくように 前に乗り出し

興奮した様子で守は言った。