そして その夜・・・


徹が桜子を求めてきた。


少し拒む桜子に徹は


いつもの如く 自分中心であった。


桜子は目を閉じ 徹のする行為に

息を殺した。


と・・・その時・・・


フラッシュバックのように


過去が頭の中に浮かんできた。


「イヤっ___」


突然 大声を出す桜子に


口を塞ぐ徹・・・


「何だっ!大声なんか出して・・・?」


震える桜子____


「アナタ___私___

私___アナタに助けられたのね・・・

私・・・数人の男性に・・・

乱暴された___」


涙を流す桜子の言葉に


徹は動揺しながら


「何___馬鹿な事 言ってるんだ!


何か悪い夢でも 見たんだろう!」


「違う・・・夢じゃないわ・・・」


徹は強い口調で言った。


「夢に決まってるだろう!馬鹿馬鹿しい!習い事やら
子育てやら オフクロの事で
君は疲れてるんだ!

錯覚か悪い夢だ!

もういい!君も疲れてるみたいだし 早く 休みなさい!」


そう言うと寝室から出て行き書斎へ向かった。