「お帰りさないませ・・・」


「ただいま・・・」


いつものように上着を脱ぎ 桜子に渡し ネクタイを緩める徹・・・


早紀は大悟を抱き抱えながら


リビングから玄関にやってきた。


「お父様 お帰りなさいませ・・・」


徹はしかめっ面をしながら


「危ないじゃないか!転んで 大悟が怪我でもしたらどうするんだ!」


いきなり大声で怒鳴る徹に


早紀は大悟をすかさず降ろした。


「アナタ・・・そんな大声で怒鳴らなくても・・・」


「ただいま大悟・・・本当・・・怖かったね」


そう言いながら 大悟を抱き上げ リビングへ向かった。


早紀は後ろ姿の徹にアッカンベーとして 桜子の顔を見て笑った。


桜子も無言で早紀の頭を軽くポンポンと優しく叩いた。