一方・・・桜子は涙が止まらなかった。


少しずつ 徹の事が本当に愛してるのか


自問自答な気持ちに苛まれていた。


徹が静かに部屋へ入ってきた。


「桜子・・・すまなかった・・・

叩くつもり・・・なかったのに・・・

俺・・・」


桜子は何も言葉に出せなかった。


徹は桜子に近寄り 頬を撫で抱きしめようとした。


桜子は咄嗟に徹の腕を振り払う行動を起こした。


「桜子・・・怒ってるのか・・・」


「もう・・・いいです・・・

すいません・・・少し 疲れたので 先に休ませて頂きます。」


「そうだね・・・桜子・・・本当に悪かった・・・許してくれるかい?」


「ハイ」


桜子は無表情で応えた。


桜子が寝室へ行くと


大吾がすでに眠っていた。


大吾の寝顔を見ていると


少しずつ 心が落ちついてきた。


(この子たちの為に・・・私さえ我慢してたら・・・)


そう考えながら 大吾のスヤスヤと眠っている頭を優しく撫でる桜子であった。