私の無言のツッコミを、何か考えているんだと捉えたらしい天真先輩。




「私は如何ですか?貴女の望む事は何でもしますよ。」




笑ってない瞳で、それでいて広角を上げて私に提案をする。

いや、待とうよ先輩。

後輩如きに何でもするなんて言うから美琴にげしげしやられちゃうんだよ!





長髪似合う北校総長。



真意は笑顔の下に隠す、食えない人。

なにやら変態で、愉快犯っぽい人。

だけど何より……



(この人なんか怖い!)




ふふふ、なんて笑ってるけれど、絶対何か裏がある。絶対。

超、胡散臭いんだ。

ダメだ。もうあの笑顔には癒されない。

さようなら、私の癒し…………。




「無言は、肯定と捉えてもよろしいですね!」

「よろしくないですよね!」




恵か!って思う位の自己チュー発言に、ハッとする。





「天真先輩。姫って何か、本当に分かってますか?」



何度も言うけど姫って、彼女だ。

知り合ったばかりの良く知らない奴に、彼女になってほしいと思うか?

答えは否。

先輩はちゃんと分かってないんじゃないか。いや、そうに違いない。



そう思ったんだけど、返ってきたのはヘラヘラの笑顔。



「勿論分かってますよ〜。」



本当に分かってるのか?!と疑いたくなる返事の軽さだ。