「……あるんですか?」



意外……と思われたのだろうか。

一瞬動きが固まった先輩。




しかも何だか愉快犯先輩のテンションは、明らかに下がった。

勝手に想像されて、勝手にがっかりされても困るよね。




あれ……?

もしかして。




私は今、名案を考えついた。

天真先輩をがっかりさせれば、北校とはあまり関わることなく過ごせるんじゃないか?って。

だって天真先輩、愉快犯なんだよ。

愉快じゃなかったら、きっと関わってこないだろう。




灰音と関われないのは残念だ。

だけど、四校連盟総長全員と親しいカナ女生にならなくて済むのならそうしたい。

天秤は、そちらに動いた。





「なら、何処校のでもいいから姫になればいいじゃないですか。求められてるんだし。」


「先輩……。姫って、総長の彼女って事ですよ。そんな適当に決めれる訳ないじゃないですか。」





私は会話をしながら、天真先輩をがっかりさせられるポイントを探す。




「誰を選んでも当たりじゃないですか。西巴君も、南城君も、東麻君も、巷じゃファンクラブ大量発生な生き物ですよ。」





ま・じ・か。




確かに歴代総長の中でも類を見ない程の美形ぞろいだって事は有名だけれども。

蓋を開けてみれば、病み・ヘビースモーカー・悪魔。




ちょっと待って。

皆中身を知ってよ!

そしたらファンクラブなんて言い出す人、ものの見事に消え去るはずだから!

あ、でも夜白は出来そうだね。

大人の魅力とかで。