「北原、今なら空の上か土の中、どちらか好きな方選ばせてあげるけど、どっちがいい?」




しかも本格的に物騒な事をいい始めた。

恵を見れば無表情。

こいつほんとにやりかねない!





「僕、東京湾の中っていうプランも提案するよ。」




更に……止めなきゃと焦ってるうちに、悪魔の方の美琴も現れた。

東京湾って、東麻組の力を使うこと丸分かりじゃないか。

やたら現実的な案を出すのはやめようよ!





「君達には殺されたくないなぁ。出来ることなら綺麗な女性の手に掛かって逝きたいです。」


先輩とはいえ彼は、四人の総長の中でも一番優しそうで儚さそうだから、二人にいじめ(よりも確実に質の悪いものだけど)られて対抗出来るのかって心配だった。

でもちゃんとのらりくらりとかわしていて。

ちょっと安心。



それに、フルボッコになってなかったし。

良かった良かった。



「わあ、北原君きもい☆」

「気色悪い。」



二人の言葉のナイフで先輩、致命傷かもしれないけど……。





「烏丸!」



バンッと大きな音に、その出処を見ると、そこにいたのはマイベストフレンド橘。

橘に続いて、お兄ちゃん、灰音、蛍君が現れた。



「俺の鏡台は?!」




焦る灰音の姿に、私は冷や汗をかく。

何故なら、鏡台の現在の姿は、灰音が求めているものと違うからだ。

そして、その姿になってしまったのは恵のせい……とはいえ、若干私にも責任がある気がする。



「あーーー!!!!」


そして、断末魔のような悲鳴。

……ついに、見つけてしまったみたい。