突然鳴り響く大きな音。
「え?何?!火事?!」
周りを見渡すと、不良達は南城君の周りを囲むように、何かを待ち構えている。
「な、南城君、これ何?」
「敵襲だなぁ。」
敵襲?!
東とか攻めてきちゃったとか?!
「いや、多分…… 。」
吉良は不良達を掻き分けて前に進み、 扉を開ける。
重々しい空気の中、現れたのは────
「お兄さん、こんばんは。」
「恵!」
恵でした。
「西の総長がこんな所に何の用だ。」
「どうも、南の総長さん。お久しぶりです。初伊を勝手に連れてきてくれたみたいで、死ねこの野郎。」
恵の口から出た私の名前に驚いたらしい。
南城君は少し目をパチクリして、知り合いか、と問いかけた。
うん、知り合い。
でもなんて言えばいいんだろう。
友達?元同級生?
「中学校の時から初伊をストーカーしてる隣人。」
「その説明、すごく正しいよ。」
吉良の的確すぎる説明に、頷くばかりだった。