遊佐佳祐。

獅東男子校、2年生。





まあまあ喧嘩が強くて、そこそこ家庭も裕福で、そしてある程度あるカリスマ性。


遊佐は全てにおいて“微妙”だ。




彼を微妙だと思うのは、僕の周りの総長達が優れすぎているからかもしれないけれど、

もし彼が総長になったとしたら、きっと恥ずかしくてやってられないと思う。




だってあいつらは皆、余裕で芸能界に入れる位優れた外見だし、

家柄だって一級品。

カリスマ性も、半端ない。



そんな奴らと肩を並べて総長なんて、できっこないよね。





っていうのが遊佐佳祐に対する第三者からの意見。

けれども彼は自分を過信している。




所謂ナルシストってやつかな。




自分が特別だと思ってる遊佐は、自分が総長になるのが当たり前だと思っていた。

けれど、総長になったのは僕。




それが凄く気に食わないらしい彼が、何かを起こす可能性はあった。

だけど……



よりにもよってこのタイミング……!





普段だったら、きっと返り討ちに出来た。

でも……




「東麻、覚悟!!」





鉄バットを持って闘牛のように向かってくる遊佐に、あっけなく殴られてしまう。


熱のせいで頭が働かないんだ。





「ははっ……弱えな!」







ああ、ムカつくよ、その自信満々な笑顔。

本当はあんたの方が僕よりずっと弱いのに。