「……ねぇ吉良、東西南北事情って、どうなってるの?」
「隠飛羽にいるなら其れ位知っておけ。」
「絶対カナ女行くって決めてたし、関わる気はなかったんだもん。」
「……先代は、東がトップ。その下に、西、南、北。」
やっぱり、東が一番なんだ。
一番凶悪そうだしね。
「ま、東の先代、あれはそもそも反則だからなぁ。」
反則?と南城君に問いかける。
「賭博だ。東は賭博場を開いてたんだよ。ただのじゃねぇぞ、かけるものは自分の身のみ。
勝てば敗者を1日だけ自分の下僕に出来る。
負けた奴を抱くのも殴るのも自由だ。」
「それ、隠飛羽の話だよね……?」
「たりめーだ。」
背筋がゾッとする。
自分の身の周りでそんな事が起きていたなんて。
「あれは腐ってたな……。
賭博で南は勝つと、負けた奴に言う。何か有益な情報を言えば見逃してやると。
そういう卑劣なのがつもりに積もって、東がトップに立った。今も昔賭博に参加してた奴に、バラされたくなかったら弱みを教えろって言ってるらしい。」
「今の東の総長は、どんな人なの?」
「天使のツラした悪魔だ……。」
「俺には悪魔のツラした悪魔にしか見えないがなぁ。」
総長が一体どんな人なのか、ちょっとよく分からないけど東が怖いのはよくわかった。
ジリリリリリリリリリッ!!!