腕組みをして、上から目線で言い切った熊男。

奴……今、何と言った?



『東に転校しろ。姫にしてやる。』って言ったよね。






烏丸初伊、16歳。

憧れの“姫”職を初めて目の前にちらつかせられました。






取り敢えず、頭がフリーズ。

なんでそんな話になってるんだ?




流れ的には、

『お前、さっき嘘ついたな!東麻の手下か!』

『きゃー、ごめんなさーい。』




じゃなかった?!



呆然としていれば、熊……遊佐さんに手を掴まれる。




「俺に似合う女はお前だけだ……アオ……。」

「へ?!何?!……きゃっ!」




そのまま、持ち上げられて俵のように担がれて。

どうしよう?!



彼はマンションの入口にたむろってるヤンキー達の方へ歩き出した。

こっそり見ていた場所へ、堂々の乱入である。





「遊佐さーん!お疲れ様でーす!」

「東麻、まだ帰ってきません!」




カラフルさん達は、熊男の遊佐さんに敬語を使うから、遊佐さんは彼らより偉い立場だと言うことが分かった。


きゃいきゃいしているカラフルさん達だったが、「あ!」と誰かが声を上げ、私を指させば、注目は残念なことに私の方に移ってしまう。