「で、誰っすか、その子。」
「総長の何十人目かの彼女ですよね。」
「西凛なのに何処で知り合ったんですか?」
「吉良の妹だぁ。」
「え、ええええ、まじっすか。」
あおちゃん、お菓子食べる?と棒付きキャンディーを差し出してきた不良達。
あ、どうも、なんて貰ったら、
「世の中はギブアンドテイクなんだよ。ということで、吉良さんの過去バナしてくれ!」
「過去バナは面倒なんで、弱みでもいいですか?」
「……初伊。」
睨まれちゃったよ。
いいじゃん、犬が苦手だって言うだけなんだしさっ。
昔路地で大きな犬に追いかけられたんだよね。
「路地で思い出した。東の人達……。」
さっきした恐ろしい体験を思い出す。
「そういえばどうして追われてた……?」
「全く分からないの。」
あの人たち、カラスちゃんって言ってたよね。
名前、なんで知ってるんだ?
でも少し、嫌な確信をしている。
東は、西と関与している私に何かしらの興味を持っているという事。