だってさ、東麻君はさっき会った時、あんなに具合悪そうにしていて。


それでいて、東麻君を追いかけていた追手はいかにもなヤンキーで。





……東麻君の家の前で待ち伏せされてる可能性なんて十分にあるでしょう。






確かに、関わらないようにしたいって常々言ってきた。


東麻君は東校連盟総長。

かたや私はカナ女生。






関わるべきじゃない。というかむしろ関わってはいけないレベルだ。


だから向こうが去ってくれたなら、それが一番いいはずなんだよ。






だけど……

なんだか今の東麻君は一人で戦おうとしている、一人ぼっちのうさぎさんに見えるんだ。





私が行って何か出来る訳じゃない。

けれど行かないで、指くわえて待ってるのなんか無理。





病人は静かに休んでなさい!って、言ってやらなきゃ気が済まないよね!





追いかけよう。

追いかけて、少しでもいい。
助けになりたい。



追いかけ……






玄関を出て、通りに出て、一通りキョロキョロしてみる。


……が、右を見れば無人。左も無人。







「どっちに行ったらいいの?!」



東麻君が出ていって、割とすぐに追いかけたから、外に出たら彼の事を見つけられるだろう。


そう高を括っていたんだけど、それはどうやら大きな間違いだったみたいだ。