「お前、妹なのか。」
「あー……はい。烏丸初伊です。」
心底めんどくせぇって顔してやがる。
大方、隠してたのに言ってしまったって所だろうな。
面白え奴。
「初伊な、初伊。覚えた。」
「さっきも言いました!」
「そこまで興味なかったから忘れてた。
初伊、敬語やめろよ。」
「嫌です。」
「あ?」
思わず眉間に皺を寄せてしまう。
「仲いいみたいじゃないですか。ばしばし関わってるじゃないですか。」
「それの何処が悪い?」
俺と仲良くしたい女なんて掃いて捨てるほどいる。
俺の方から距離を縮めてやってるのに、何が不満なんだ?
「だって……吉良は副総長でしょ?その吉良に年下でタメ口なんて……悪い予感しかしない。」
「南の総長のオトモダチになることの何が悪い?」
「あーあーほらそうやって簡単に答え合わせして!大切なことは伏線回収含めて長期でやるもんでしょ!」
・・・・。
くっくっ……と俺の笑い声だけが部屋に響く。
「初伊、おもしれぇな。流石吉良の妹だ。気に入った。」
そういうと、嫌そうな顔をした初伊がいた。
改めて見ると、吉良の妹なだけあって、化粧もしてないのに随分と綺麗な顔をしている。
目は青いくせに髪は純黒で長くてサラッサラしてて、
人形みたいな綺麗な女。
笑わせてみたい、と思った。
吉良の妹、なんて言ったがな。
今まで会ってきた女とはまるで違って、媚も売らねぇ女。
それでいて、おもしれぇ。
そんなお前を俺は気に入ったみたいだ。
夜白side end