……………。





「……なんで西巴も付いてくるんだよ?!」


「さっきの……橘が理解してくれなかった事、言うより見た方が早いから教えてあげるよ。俺が何を言ってるのか、知りたいんでしょ。」


「今非常事態でしょ!そんな事言ってる場合か!」


「じゃあ戻るけどいい?」



「すみません、一緒に行きましょう。」







烏丸さんが大変な時に西巴の言ってる謎を知りたがるなんて不謹慎かもしれないけれど、


俺はどうしても知りたかったんだ。






それはもしかしたら……西巴とちゃんと喋ってみたかったからかもしれない。


自分と自分以外にその世界を分けている、西巴の見ているものを見たかったから……なのかもしれないね。






階段を駆け下りて上靴のまま外に出ると、

びしょ濡れで下を向く烏丸さんの姿が目に入った。





「烏丸さ「しー。ストップ。」」




声をかけようとする俺を止めたのは西巴で。

暫く黙って見ていれば分かるというので、それに渋々従った。