グループ学習から少し経って。

ついに、手が出た。




《ビッチ》
《尻軽女》
《キモイ》
《ブス》



登校すると、烏丸さんの机の上にたくさんの落書きがあった。


陰口で済んでいたのが、いじめに変わったんだ。






烏丸さんはその机の上で平然と本を読んでいて、
女子達は楽しそうに、クスクス笑って彼女の事を笑っていた。




「烏丸さん……。」

「橘君、ご機嫌よう。」



絶対ご機嫌よくないだろうに、いつも通り烏丸さんは笑っていた。




「烏丸さん……交換しようか?」




そう聞けば、彼女は首を傾げて。




「何を交換するんですか?」


きょとんとした顔でそう言ったんだ。





え……まさか、気付いてない?


いやいやいや、あんな落書きされたら、嫌でも目に入るはず。


本性はアレでも……烏丸さんはお嬢様である事には変わりないから、もしかして……いじめの存在を知らないとか?




それからも、その机で烏丸さんはいつも通り過ごしていた。



そして机攻撃があまり効かなかった事を知った女子達は次の攻撃に出たんだ。