「西巴君っ、一緒にやらない?!」

「ずるぅい、私も西巴君と班組みたい!」





「烏丸さん!一緒にどうかな。」

「俺、何でも言われた事するよ!」






両隣が、賑わってきた。


同じぼっち仲間とはいえ、二人は異性人気は凄まじいから班に誘われるよね。


本格的に俺、どうしようかなぁ……。


何処か余った所に入れてもらえればいいんだけど……もし一人余ったら単位とか、洒落にならないし。



とりあえずまだ4人になってない班、探しに行こう。




「……橘。」



そう思って立ち上がった俺を引き止めたのは。



「橘何処行くの。俺と烏丸さんと一緒に班を組むって約束したでしょ。」



一度も話した事のない、西巴。




「え……そ、そうなの?」

「なんでその二人と……。」


西巴の周りにいた女子達は、その発言に俺と烏丸さんを見て。



「烏丸さん……そうなの?」

「西巴さんと話した事ないだろ。」





烏丸さんの周りにいた男子達も、問いかける。



「西巴君と、橘君と……班を組むって約束しましたの。ごめんなさいね。」




勿論そんな約束した覚えはない。

というか、二人とは話した事がないんだからなくて当たり前。



「じゃあ、行きましょうか。」



“魔の太平洋ベルト”の三人が一緒に?!とクラスの人達は皆教室の後ろに視線を向ける。




「橘君、行きませんの?」

「……早く。」




気がつけば烏丸さんと西巴は、荷物を持って教室の外に出ようとしていて。



「あ、今行く……ます!」



生徒達の視線から逃げるようにして、俺は教室から躍り出た。