で、三人目。


俺がぼっちなのは、一見お金持ちでもないし、才能もないから。

仲良くする価値がないと思われてるから。




でもぼっちになった理由の半分位は、この二人の間に挟まれているからって……あると思うよ。





それから何週間、何ヶ月経ってもこの状況は変わらず。



西巴・俺・烏丸さん、とぼっちが3人静かに座って列を作り出している事から、“魔の太平洋ベルト”なんて陰口(かどうかは謎だけど)が出来たりはしたけれど、


特に俺は何もなく、一人静かに過ごしていた。




初めはぼっちも嫌だったけれど、今となっては気楽でいいかなぁなんて思い始めていて。



同じぼっち仲間だけれど、ある意味派手な二人とは関わる事なんかないと思っていた。






思っていた……けど、予想外に関わってしまう出来事が起きたんだ。





夏の初め。

制服が夏服に変わった頃の事だった。











「これより3日間、陰飛羽第一図書館にて世界の偉人についてのレポートを作成し、提出してもらいます。三、四人で班を組んで、班が決まり次第図書館に向かってください。」





眼鏡をかけた社会科教師はそれだけ伝えると、丸投げして教室から出ていった。


A組は違うのかもしれないけど、この学校の教師は何でも割と生徒に丸投げだ。



そういうのって、良くないと思うよ。


自主性やらなんやら言うけどさ……多少の縛りは必要じゃんね。





え、なんでこんな現実逃避をしてるかって?





「一緒に組みましょう。」

「あ、私も入れてー!」



「優希、やろうぜー。」

「俺、世界の偉人なら詳しいからさぁ……」





わいわいがやがやとする教室。


騒がしいのは魔の太平洋ベルトの周りを除いて、だけど。




ええ、そうですよ。

ぼっちは気楽。ただ……グループワークは、辛い。