「あれって〜〜〜の所の息子だよな?!」

「なんでB組なんかにいるのかしら?」

「素敵……。」




わいわいと騒ぐ人だかりの殆どは、靴を見る限りA組の生徒で。




「すいません、通してくださーい……。」




人混みを掻き分け、やっとの思いで教室に入ると、人混みの理由を理解できた。


というか、理解せざるを得なかった。





教室の一番後ろの奥の席に何だかとんでもなく大物オーラを発してる奴がいて、そいつがこの騒ぎを起こしているんだと簡単に分かった。






飴色のさらっさらの髪に、横顔だけでも凄く美形だと分かる綺麗な顔。


静かに英語の本を読んでいるそいつが騒ぎの元凶。







なんだか……見覚えがある。



何だっけ……何処かで見た。絶対に。




記憶を辿っていると、野次馬の中から“サイハ様”と言う声がちらほら聞こえてきて。



ああ……そうだ。

ボスの日本の要人を纏めてある紙にちらっと出てきた顔だ。




昭和の怪物総理・西巴徹朗の孫で───

時期総理と名高い、西巴優一の一人息子。






確か名前は……望?……違うな……香だったけ?


そんな感じだった気がする。





確かにそんなビッグネームがB組に入れば、騒ぎにもなるよね。

余程出来が悪いのか、問題児なのかのどっちか……って事かな。