こんなに俺が頑張ってんのも、必死こいて医者になろうとするのも。
全部、羽珠と一緒にいたいため。
そして父親との約束を果たすため。
でも何よりツライのは、隣で笑ってくれる子がいないこと。
ねぇ、羽珠。
もっかい“好き”って言うのは図々しい?
せめて言葉だけ伝えさせて。
橘とか、朝陽とか………
背中押してくれるヤツらいるから、俺は伝えるね。
「神木……お前すごいな!」
「そうですかね?」
「こんな結果出したのうちの学校でお前だけだぞ!」
夏休み明け。
夏休み中に受けた模試の結果が出た。
俺の受けたい大学の合格率は95%、となかなか良い結果。
あとは来年までに残りの5%を埋めるだけ。
「医学部合格も夢じゃないぞ!このまま、頑張れよ〜」
「…頑張ります」
模試の結果は上々。
次の定期試験もなんとか学年1位狙うつもり。
あと足りないのは………
羽珠だけ。
もう少しで伝えに行くから、吉川になんて惚れないで?
俺を待ってて。