絶不調過ぎて先生に怒られまくった講習。
気分悪く一人下駄箱で帰ろうとすると、小柄な女の子が走って来た。
………橘だ。
「碧依くん!よかったら一緒に帰らない!?」
「うん。いいけど」
「よかった〜♪じゃ、帰りましょ!」
なんとなく橘と二人で帰る夕方の暑い帰り道。
俺の隣でずっと笑顔で話してる。
よく話題尽きないなー………。
「…えっと…碧依くん」
「なに?」
「一方的に話してるけど……ウザくないかな?」
「別にウザくないよ」
「それなら良かったです…」
良かった…とか言うクセに、暗くなる面持ち。
俺、悪いこと言ってないと思うんだけどな…。
なんて思ってると、橘が小さな肩を小刻みに震わせ出した。
もしかして、泣いてる?
「…橘?」
「うっ、ふぇっ……やっぱり…碧依くんは羽珠ちゃんなんだね…」
「は?」
「はぁー……羽珠ちゃんには敵わないねっ。悔しい…っ」
そんな泣き顔で切なそうに言うなよ…。
俺が泣かせたみたいじゃん。
この状況どうして良いか分かんないや………。