もう引退したらしいけど、元バスケ部主将で爽やか系の人。


で、優しいらしくてあだ名が“優男”か“神”って呼ばれてる。



「告白は吉川からだって」

「吉川かー……」

「そっ。んで、小宮ちゃんがオッケーして付き合った…わけだ」

「絶対に無理。俺、アイツ嫌い」

「ぎゃはははっ!!お前、やっぱ、まだ小宮ちゃん好きなんじゃん!」


じゃあ、むしろ本気で惚れた女の子をすぐに忘れられるわけないじゃん。


絶対、吉川とは仲良く出来ない……。




放課後、いつもの勉強会のために一人で廊下を歩いてた。


俺って運悪い………


向かい側から歩いて来たのは、大嫌いな吉川だ。


「神木…碧依くん?」

「…そうだけど。なに?」

「いつか羽珠ちゃんから、アンタを取り除いてみせる」

「意味分かんないんだけど…」

「まだあの子の中にはアンタがいるから」


勝手にしたら良い。


俺の中にだって、まだ羽珠がいる。


誰か取り除いてくれる女の子いないかな……


多分、もう羽珠以外ダメな気がするけど。



俺も進まなきゃダメだね。