学校では岬と皐月が、笑わせてくれて励ましてくれる。


気が紛れるから楽。



でも、家に帰れば部屋に一人。


ボーっと壁を見詰めてるだけで、冷たいモノが頬を伝う。


まだまだ枯れる気配のない涙。


「んーっ…もう…っ、最悪っ!目腫れるじゃん!」


ベッドに寝っ転がり、枕に顔を埋めた。


誰にも泣いてるなんて知られたくないもん!



「ごちそうさまでしたー」

「あらー?羽珠もういらないの〜?」

「ははっ……ちょっとお腹いっぱいなんだよね!」


ご飯すら喉を通らない。


おかずも白米も、半分以上残した。


「はぁ!?姉ちゃんもう食わねぇの!?俺がもらうぞー!」

「食べれるなら食べていいよ?」

「じゃ、遠慮なく〜♪」


残した分は、楚良が食べてくれるから良いけどさ……。



失恋がこんなにもツラくて切ないなんて、あたしは知らなかった。


碧依くんはツラくないの?


むしろ、あたしのこと嫌いになっちゃったから嬉しい?



隠し事してたあたしもバカだったけど、話は聞いてほしかったなー…なんて。