高校生活最後の夏。
碧依くんと、たくさんの思い出作りたいな〜…なんて考えてた自分。
尚更ショックが大きい。
「新しい彼氏探しでもする?」
「うーん…無理っぽい!」
「いつまでも引きずって、泣いてる羽珠は見たくないもの」
「でもね……本気で好きになった人だからさっ!」
今のあたしはちゃんと笑えてるかな?
無理にでも笑わないと、苦しくて倒れちゃいそう。
教室に戻れば、進路のこともあって受験勉強してる人もちらほら。
碧依くんもその中の一人。
分厚い赤本や参考書を開いて、ひたすらペンを動かしてる。
「やー!!めちゃくちゃ暇だなぁ〜」
「あ、岬…」
「碧依、勉強ばっかでなんも構ってくれねぇの!」
「あはは……医学部目指してるからね」
「小宮ちゃんより勉強取るんだな、アイツ!愛が足りねぇよ!」
「朝陽。もう、神木の話はいいから」
碧依くんの親友の岬なりに、笑って励まそうとしてくれてる。
皐月は申し訳なさそうに「ごめん」って謝った。
今は笑ってる方が楽だから、いいの。