【千奈】

白の後ろの障子が軽く開く音がして、そちらへ視線を向けると。

「……」

「雪姫苺(ゆきめ)」

そこに居たのは、雪女から頼まれた雪ん子の、雪姫苺だった。

預かってまだ数日しか経っていないのに、見た目は五歳くらいの女の子に育ってしまった。

妖って育つの早いんだよね。

「どうした?雪姫苺」

雪姫苺は、恐る恐る部屋へと入って来る。

「千奈、誰その子?」

雪姫苺は、美心ちゃんの声に肩をあげて、私の元へと小走りで後ろに隠れる。

「こんな子、神社に居たっけ?」

「そ、それは〜…」

何て説明すれば良いんだろう…。

「“ママ"!この人達誰……?」

「「えっ?!」」

雪姫苺は、少し声を震わせてそう聞いてきたけど、今の呼び方はやばいと思ってしまった。