「お待たせ~」

「やっと来たかよ、遅いんだよ」

「悪かったわね、別にあんたに待っててなんて言ってないでしょ!」

この二人、仲が悪いのか良いのか、良く互いに睨み合うよな…。

「美心と何の話してた?」

「えっ?!は、白には関係のないことだから」

千奈…、俺に何か隠してるな?

千奈は俺に嘘をつくとき、必ず自分の前髪をくるくる回す癖がある。

(でも、そこも可愛いから…。良いんだけどな)

こう思ってる俺って、ただの変態だよな…。

その時、俺の後ろの障子が軽く開く音がした。

「ん」

俺と千奈は、振り返った。