千奈は、自分もと言うと、スカートのポケットから、小さなリングを白幻に渡した。

「それ、お守りね」

「ありがと千奈。大切にするな」

「絶対迎えに来てね」

「あぁ!行くよ。それと最後に…」

白幻の最後の言葉と同時に、千奈の周りは光で包まれた。

目を開けた千奈は、さっき居た森の中にいた。

「夢…なのかな?」

けど、夢じゃなかった。

自分の握っている物を見ると、それは確かに白幻が巻いていたマフラーと、千奈にあげた鈴だった。

「またね白。十年後に」