「ひゃっ!」

雪のように冷たく、暖かさは感じられなかった。

「貴方もしかして……」

「私は────雪女」

雪女って、男を騙して氷漬けにするっていう…。

「私をどうするつもりなんですか?」

「あら話が早いのね、実は妖たちから“空の巫女”が帰ってきたって聞いたのよ」

「空の巫女?」

空の巫女って、なに……。

でも、空の巫女ってどこかで聞いたことがあるような。

「空の巫女って貴方の事よ、本当に何も知らないのね」

私は、雪女から視線を逸らした。

雪女の言うとおり、私は自分のことを知らない。

空の巫女のことも知らない。