その時、白の言った言葉を思い出した。

『千奈を狙う妖達が、千奈の力欲しさに寄ってくる』

私は勢い良く立ち上がり、その女の人から少し離れる。

「貴方…、もしかて」

「……ふふふ」

女の人は顔を上げると、冷たい視線を私に向けてきた。

「貴方の考え通りよ」

怖くなった私は、バス停の中から出ようとした。

だけど、何故か私の足は動こうとしなかった。

「何で?!」

足元を見た時、私の足はいつの間にか凍りついていた。

「いや!」

「ふふふ、動こうとしても無駄。私の氷からは逃げられない」

女の人は、私の目の前に来たところで、私の頬に冷たいてを当ててきた。