「良かったら家に来ない?」

「い、いえそんな…、迷惑かけられません」

「大丈夫よ、ここに居たらもっと大変なことになっちゃうわ」

着物を着た女の人は、私に手を差し伸べてくれた。

「さぁ、行きましょう」

私は、ゆっくりとその手に自分の手を伸ばしていく。

『ふふふ…』

その女の人が、不気味に笑っていると知らずに。