「うん、お犬さんも好きだけど、今は白も大好き」

その言葉を聞いた白幻は、一度止まり千奈の方に向き直る。

「白?」

「お前、それ本気で言ってんの?本気じゃないならやめた方が「本気だもん!!」」

千奈は、大声を出した為、白幻は驚いた。

「私本当に白が好きだもん!嘘なんてついてない、今日会っただけで大好きになったんだもん」

必死に説明する千奈の姿に、白幻は優しく微笑んだ。

「千奈の気持ちは分かったよ、ありがと」

でも、白幻は知っている。

人間と神様の恋は、禁止されている。

「だからね!私白のお嫁さんになりたい!」

「……は!」

白幻の頬に、一つの汗が流れる。

「私の夢はね、最初に好きになった人のお嫁さんになる事なの!」

「でも、それは」

白幻も、この時既に千奈に惹かれていた。

本人は少しだけそれに気づいていた。