「やっぱり、一人で外に行ったのかよ!」

俺は、その場で一回回ると、元の姿である妖へと戻った。

「早く見つけないと」

外に出ると、さっきまでヒラヒラと降っていた雪は、激しく降り始めていた。

「これは……、千奈はどこに居る」

目をつぶり意識を集中させて、千奈が持っている鈴の音の気配を探る。

頭の中に、商店街が現れる、その後路地へと続いている。

「──────居た!」

千奈の居場所を見つけた、千奈はふた手に分かれている道の前でオロオロとしていた。

「方向音痴め……」

その時、千奈の近くで妖の気配を感じる。

「この気配は」

姿は見えないが、気配は感じる。