化け犬となった白は、周りの人たちから忌み嫌われて、差別されるかもしれないけど、それでも白は少しずつ向き合おうとしている。

そんな白の姿は、とてもかっこよかった。

「さっき帰った時も周りの視線が痛かったけど、俺は自分の決意を見せてきた」

「白の決意を?」

「あぁ、俺のやったことは許されない事だけど、それでも俺はいつか犬神家の頭領になって村のみんなを守るって決意を見せたんだ」

白はこの短い間で色んな事を一人で決めた、それに比べて私は何も決めていない。

もちろん、このまま白に守られ続ける訳にはいかないと思っている。

(まず、自分が何者なのか知らないといけない)

私は、白に巫女様とは何なのか聞いたけど、白は話してくれなかった。けど白は、新年を迎えたら教えてくれると言ってくれた。

自分が何者なのか知るのは正直怖い、けどそれを知らない限り私は一歩踏み出せない。