白幻は数秒考えてから言った。

「お前何歳?」

「ろ、六歳」

「何だ俺と同い年か。しょうがないから出口まで案内してやる」

「本当!」

白幻の言葉にホッとした千奈は白幻に歩み寄る。

そのときお互いの顔が近くなり白幻は赤面した。

「だ、だからちゃんと付いて来いよ」

「うん、ありがとう! 白……がん?」

「白幻だ! 名前は間違えるなよ」

名前を間違えられ怒った白幻だが、その姿を見た千奈は申し訳なさそうに目に涙を浮かべてしまった。

「うぅ……ごめんなさい」

「だから! 泣くなよ」