「そうだな、あいつを食ったらますます力が強くなる」

(あいつって………、一体誰のことだよ)

「あぁそっか、お前の記憶は俺が消したんだよな」

俺の記憶を消した…。

「あいつっていうのは、お前が惚れた女の事だ」

俺が惚れた女、そんなのいるわけが……。

『白』

(え?!)

一瞬だけ見えた、俺の消された記憶の中から、俺の名前を呼ぶ女の子が。

『私、白が好き』

(…………………千奈……)

そうだ、俺は千奈に惚れた。千奈の笑顔に惹かれて。

「思い出したか、だがもう遅い。お前の体は俺のものだ、そしてあの女も俺のものだ」

(千奈はお前のものじゃない!千奈は………。俺のだ!!!!)

「……」

(千奈に手を出してみろ!俺はお前を許さない!!)

「それは無理な注文で、今のお前の体は俺が支配している」