(確か……、あの時俺は……)

その時の記憶が、脳裏を横切った。

(確か俺は、妖力を抑えられなくなって……)

それから、それから俺は────。

(うっ!)

また頭に激痛が走る。その時に声が聞こえた。

「奴が来る…、お前を助けにあいつが」

あいつ?あいつって誰だ…。

「せっかくこの体を手に入れたんだ、簡単に渡すわけには行かないな」

(誰だお前は…、何で俺の体の中にいんだよ!)

「お前が気にすることはない、俺はもう一人のお前だ」

(もう一人の俺…)

心臓が高鳴る。