何でか分からなかったけど、その手を見た途端気が遠くなって、その手招きしてる方向へと私は歩き出した。

「あんたさ、小学四年生の時千奈に告白してたじゃん」

「そうだよ!したさ千奈に、ずっと昔から好きだったって」

「でも、恋に鈍感な千奈はそれを誤解して、私も友達として神斗君の事好きだよって言われたでしょ!」

「それがどうしたって言うんだよ」

「だから!一度振られたあんたが、千奈の恋に入って来るなってこと」

「そんな事お前には、関係ない事だろ!」

「なら今すぐ千奈に言いなさいよもう一度!友達としてじゃなく、一人の女として好きだって!!!」

「いいさ!いってやらぁ、そこまで言うんだったならな」

「分かった、あんたの振られる無様な姿をしっかりと目に焼き付けてあげるよ」

「「千奈!!!!」」

二人が千奈の名前を呼んだ時。

「あれ?」

「千奈?」

千奈の姿は、もうそこにはなかった。