「馬鹿!変なこと言わないの!」

「あっ!つい……。でも、その白って奴には会えるんだろ?」

「うん、十六歳になったら迎えに来てくれるの」

「え!」

神斗君の顔が青ざめていく。どうしたのかな今日の神斗君?

「本当それ!」

「嘘じゃないよ、約束の印がこのマフラーだから」

私がつけてるマフラーは、十年前白が私にくれたもの。

「そういえば、千奈いつもそれ持ち歩いていたもんね」

「うん」

マフラーを見つめる。

春の日も夏の日も、このマフラーをいつも持ち歩いていた。