「二人とも、そこまでですよ」

お盆にココアをのせたお父さんが、私達の後ろで囁いた。

「うわぁ!」

「きやぁ!びっくりした」

「驚きましたか、それは良かった良かった」

お父さん、全然良くないと思うけど。

「千奈さんどうしますか?ココア飲んでから行きますか?」

「そうだね、飲んでから行くよ」

お父さんからココアを受け取り、ゆっくりと飲む。

「神斗もかっこつけずココアにしとけば良かったのにね」

「お前、いつも一言多くてうざい」

「あーら、ごめんなさいね。私は、昔からこういう性格なので」

「その喋り方もマジムカツク」

「と、とりあえず行こうよ」

二人の間に入りながら、私達は外へと出た。

「おー!凄く積もってきたな」

「そうだね」

「千奈の誕生日にピッタリだな」

「うん」