茜色に染まる夕日が神社の階段を照らし、子どもたちの声が境内の中で響き渡る。

「きゃはは……きゃははは」

小さな子供の声が境内の中に吹く風と共に流れていく。

「お〜い！ 早く来いよ」

「待ってよ」

三人の子供たちが境内の中で鬼ごっこをしていた。

「遅いぞ千奈（せんな）！」

「だって走るの苦手だもん！ それなのに神斗（かみと）君が私を鬼にするから」

「千奈ちゃん早く！ 置いて行っちゃうよ」

「もう！ 美心（みこ）ちゃんまで！」

千奈と呼ばれる女の子は、友達の二人を追いかけていたが、途中で見失ってしまった。

「……みんなどこ？」

千奈は一人で神社奥の深い森まで来てしまっていた。

「神斗君！ 美心ちゃん！ どこ？！」

二人の名前を読んでみるが返事はなく、代わりに小さな子供の笑い声が耳に届いた。

「こ、怖いよ……」