「まさか美里 忘れられない人がいるの?」


葵がニヤニヤしながら聞いてきた


「そ、そんなわけないじゃん」


明らか動揺している私


本当に嘘がつけない


「ふーん なるほどね」


「だから違うって」


私は全力で否定した


「そういえば知ってる? 黒猫の噂」


「黒猫の噂??」


「知らないんだ なんでも黒猫がやり残したことや後悔したことがある人を過去に連れてってくれるんだってさ」


「嘘だー」


私は笑って返した


そんな話あるわけない


だいたい過去に戻れるなんてあり得ない