ムニムニッとほっぺをつまんで、
起こそうと頑張っていると、
「えっ」
その手をパシッと高橋くんのキレイな
手に掴まれてしまった。
驚いて目を見開くあたし。
「萌菜先輩、朝からそんな可愛すぎること
しないでください」
そんなあたしを、ゆっくりと目をひらいた
高橋くんの瞳が捕まえた。
「お、起きてたの…?」
その瞳から逃げるように、視線を
そらしながら、問いかける。
すると、高橋くんがムクッと起き上がった。
それに、ビクゥ!と肩を揺らす。
「いまさっき起きた」
少し寝癖のついた頭を直しながら
眠そうにあくびをして、そう答えてくれた。
あたしはそんな高橋くんに、「そっかそっか」
と言って、その場を立とうと腰をあげようと
したとき。