っていうかマーク兄さん、普通の会社の社長さんじゃないの!?
外部に漏れないように、って。
なんだか、何処かのスパイ映画みたいで怖いんですけど。
前にアル兄さんが、私には高性能のGPSが付けられてるって言ってたし……
まさか、本当に裏でスパイのボスとかやってないよね?
「……………………」
脳裏に浮かんだのは、恐ろしいほどの笑顔のマーク兄さんで。
ボスと言われてもまったく違和感の無い兄の姿は、似合いすぎてて笑えない。
でも……。
魁さんが言うように、本当にそこまで情報が管理されているのだとしたら。
「じゃあ……」
一体、どこから私の情報が?
中途半端に途切れた私の言葉に、真っ直ぐな視線が向けられる。
「変に、お前を怖がらせるつもりは無いが……」
何かを伝えようと、口を開く魁さんを見て
「……魁さん?」
思わず、ごくりと唾を飲み込んだ。