「蓮も知ってるんだから、教えても問題ない。寧ろ、バラしてくれと蓮から懇願されてる」
歯切れの悪い私に向けられたのは、意外なもので。
「え? 蓮さんに?」
何で、蓮さんがそんなことを?
蓮さんから懇願される理由が分からなくて、首を傾げていれば
「あぁ。俺とお前のことを色々と聞かれるのに、答えられないことが多すぎて、女に文句を言われるらしい」
「はぁ」
さすが、綾ちゃん。
あの蓮さんに文句を言える女の人なんて、多分、きっと綾ちゃんしかいないだろう。
「その代わり、他の奴には俺との関係を聞かれても黙ってろよ」
「……はい」
魁さんの言葉で、やっぱり迷惑なんじゃないかと心配していれば
「誤解するなよ。俺との関係がバレて、大変なのはお前の方なんだぞ」
「え?」
またしても、思っていた事とは違った返事が返ってくる。