初めにプリクラをとったとき

壮ちゃんは1枚のプリクラに

『い』

と大きく1文字だけ書き込んだ。



「それなに?」

「内緒」



次にとりにいったとき

『き』

の文字。


そして3回目の文字は

『す』

だった。


私は壮ちゃんのやろうとしていることに気付いた。

にやけそうになったけど気付いてないフリをした。

早く4回目をとりたいと思った。


次のデートも映画だった。

映画を見てプリクラをとりにいった。

並んでる最中、クラスの女子と会った。



「果那と渋谷くんじゃん!」



ほら。

壮ちゃんは女子からあまり下の名前すら呼ばれない。

私だけの優越感。

もっと見てほしい!

そう思った。


そして4回目の落書きはやっぱり

『だ』



「わかってたよ?」



並び替えると

『だ』『い』『す』『き』


だいすき。


口下手な壮ちゃんからの愛の言葉。

嬉しくて恥ずかしくて。

みんなに自慢した。